第4回ビッグコミック賞佳作「大型新人」についてメモ

用語

ビッグコミック

ビッグコミック賞」とは石森章太郎/楳図かずお/さいとう・たかを/白土三平/手塚治虫/水木しげる/横山光輝が審査する賞 過去に「ビッグコミック賞」を受賞したのは、戸峰美太郎/一ノ関圭の二人だけ

概要

昔のビッグコミックを読んでいる最中に発見した「大型新人」という漫画についてのメモ

情報元

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ビッグコミック 1970/8/10

掲載雑誌

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ゴルゴ13シリーズ ビッグコミック増刊号 11/1

扉絵

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大型新人 新生一朗

内容

ピッグコミック賞の選者の諸先生がたは、ゆううつだった。犀頭氏は仕事がはかどらず、石守氏は貯金のかんじょうをはじめ、梅酢氏は生きているのが嫌になり、瑞木氏は、パチンコ屋に入りびたり。白戸氏は飼いネコにあたり、与子山氏はバーに入りびたり、鉄火氏はトイレで悲しみにひたる始末。 一体何が起こったかというと選者の諸先生が逆立ちしてもかけないような、すごい作品が新人から送られてきたからであった...

審査員の評価

石森章太郎

非常に皮肉っぽい書き方だ。パロディーとしての面白さあり。既成作家と、新人と、両方に対する風刺がある。絵は幼稚だが、ストーリーは大人だ。心憎いくらい楽しい作品である

さいとう・たかを

しょせん思いつきだけの作品で、ドラマがない。楽屋おちすぎる。一般読者にわかるように、皮肉っぽく書くべきだ。絵はまだまだ中途半端。

白土三平

絵とストーリーはあっている。しかし劇中劇の中だけ取り出したような作品だ。もっと真正面から、ドラマ作りすべきだ

楳図かずお

かなり、この世界に詳しい人だと思うが、このパロディーはどうかと思う。絵にもっと味をもたせて、面白くすればよかったと思う

手塚治虫

しいて、面白い点をあげればラストのオチといえるが、愚作といっていいだろう。

水木しげる

妙な理論をつけて、読者を、アッと驚かせようとしているが、アッと驚かないんだな。しかし、面白く読めた。

横山光輝

この作品は、うまい、下手ではない。編集者や、審査員が驚くようなものを書きたいというのは、あこがれであって作品ではない。

感想

読みたいと思ったきっかけは扉絵と手塚治虫の評価の「愚作といってもいいだろう」の一言ですごい興味が湧いた。 ビッグコミック賞の佳作は、ビッグコミックビッグコミック増刊などに掲載される事があるが見つからなかったので諦めていたが運良く気づいて読む事ができたが期待以上の内容だった。作中に登場するピッグコミック賞の他の応募作は元ネタは文珠四郎義博の「石の肉」ときしもとのりの「布団」かな